直す、治すのではなく止める
アレクサンダーテクニークを楽器演奏やその他の活動に応用していくとき、
ついつい陥りがちな落とし穴があります。
それはアレクサンダーテクニークは何かを直すまたは治すものではないということです。
僕も以前は間違った自分を正しく直そうとばかり考えていました。
目次
直す,治すと止めるの違い
直す、治すは
機械が故障しているまたは怪我をしている、神経の異常などの状態に使う言葉です。
反対に止めるというのは動作に使う言葉です。
何かをしているという動作を止める。
つまり止めるということは問題になっている動作も存在してもいいという考え方ということでもあります。
そうでないと止められませんから。
アレクサンダーテクニークのレッスンで教師が見ているもの
僕をふくめアレクサンダーテクニーク教師の方々がレッスンで見ているのは身体の状態ではありません。
あくまで身体の動き、動作です。
だからアレクサンダーテクニークのレッスンでは治療行為はできません。(というか違法になってしまうのでそもそもダメですが)
さらにいうと習慣的になっている癖も直すことは出来ません。
というか癖はそもそも修理したりするものではありません。
なぜなら習慣的な癖は本質的には状態ではなく動作だからです。
アレクサンダーテクニークは止めるためのツール
アレクサンダーテクニークを使うと結果的に身体の使い方が効率的になっていくことが多いので、ついつい自分を直そうとしてしまいやすいです。
しかし、 直そうとした時点でアレクサンダーテクニークは使っていません。
むしろ
- アレクサンダーテクニークを使うことが正しいんだ。
- ずっと頭が動いていないといけないんだ。
という発想になってくるので、かえって頭と首を押し下げやすくなったり身体が固まりやすくなるので、大抵上手くいかなくなります。
まとめ
- 直す、治すは状態、止めるは動作
- アレクサンダー教師はレッスンで生徒の状態ではなく動作を見ている。
- アレクサンダーテクニークは止めるためのツール。
- 癖は直せないが止めることはできる。
- 止めるということは誤った動作をする選択も存在していい。
それでは。