ホルンを吹くって簡単〜上達する心と身体の使い方のヒント〜

日々の練習でホルンが上達する身体と心の使い方を発信していきます。

ホルンのリップスラーを滑らかにする7つのコツ

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 今回はホルンのリップスラーをより滑らかに演奏する方法について書いていきます。

リップスラーとは舌を使わずに息だけで音と音を滑らかに繋げて吹く演奏方法です。

スラー: slur)とは、楽譜に用いられる演奏記号のひとつで、いくつかの音符を弧でくくり、音と音を滑らかにつなげて演奏することを表す。

アーティキュレーションのひとつである。Wikipediaより引用

 

リップスラーを日頃の練習に取り入れると以下のようなメリットがあります。

・幅広い音域のコントロールが容易になりやすい。

・ハイトーンが出しやすくなる。

・音質が柔らかくなる。

・音が外しにくくなる。

 

自分も以前はリップスラーが苦手で練習をしても効果をイマイチ感じられませんでした。

ですが、吹くときの意識を少しだけ変えてみたり、練習方法を工夫していくことで滑らかなスラーがかかるようになっていきました。

僕がこれまで試してきた中で以下の7つが効果的です。

リップスラーがうまくできないという方は是非参考にしてみてください。

【目次】

 

 

音を出すときに次に出す音もイメージする

スラーを吹くときに最初に出す音だけ考えていませんか?レガートで繋げる次の音をあらかじめイメージするだけでも滑らかなスラーはかかりやすくなります。

なぜなら次に出したい方向が定まるからです。

世界的に有名なソリストのバリータックウェルも著書の中でこのように書いています。

どの音も均質になるようにするに演奏するには今出している音のことだけではなく次にどんな音を出したら良いのかをいつも考えなくてはいけない。

 引用フレンチホルンの奏法 著者バリータックウェル

滑らかなスラーで演奏するためには効率の良い息の使い方が大切になってきます。

そのためにはあらかじめ出したい音のイメージをしておくといいでしょう。

 

 最初に出す音と次に出す音の距離を考える

スラーで繋げる音の幅がどれだけ離れているかを意識するだけでもスラーが滑らかになります。

音域の幅によって音を出すための必要な力は変わってくるからです。

例えばどこまで歩くのか分かっていないときと分かっているときでは身体の疲れやすさが違うと思います。

これと同じでオクターブのスラーをするときに8度の距離があるんだなと思ってスラーする方が効率よく音を出すことができます。

 

 

  参考記事

 

 リップトリル

スラーは唇を効率よく振動させることが大切になってきます。

そのための練習としてリップトリルが効果的です。

ただトリルは無理して速くやろうとしても効果がないです。

なぜなら身体に余計な力が入ってしまうからです。

無理なくできる速度の範囲でどうすればより滑らかに隣りの音に移り変われるかを考えながら練習してみてください。

 

 

オクターブ間の自然倍音グリッサンドする

オクターブを自然倍音グリッサンドするとスラーがしやすくなります。

オクターブの間の自然倍音の音を四分音符、八分音符、16分音符、といった具合にできる限り速くいれてグリッサンドしてみてください。

 (ちなみにこの奏法はウインナースラーと呼ばれています。)

以下の譜面を参考にして練習してみて下さい。

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 スタッカート、ノータンギング

 また効率よく振動させるためにノータンギングやスタッカートでの練習も効果があります。

各音の頭が後膨れになると息のレガートが未熟なトロンボーン初心者のレガートのように本当にだらしない演奏になってしまい、美しいレガートとはほど遠い代物に成り下がってしまう。

このような事態を防ぐためには打点になった瞬間にタンギングに依存することなく唇がすぐに振動できるようにする必要がある。

 

金管楽器 演奏の新理論~奏法の特性を知り、表現力を上げる~

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 ソノリテ

 これは振動を効率よくするためというより音色や音質を一定にするための練習です。

以下の記事を参考にしてみて下さい。

音がよく響くポイントを捉えて吹ければスラーもかかりやすくなります。

 

 

  

音の高低と首の動き

 僕は以前音を出すときに

  • 音が高い=上
  • 音が低い=下

というイメージで吹いていました。

だからなのか音が高くなると首が上に、音が低くなる首が下を向く癖がついていたんです。

以前は自然とそうなってしまうものだと考えていたので何も気に止めなかったのですが

アレクサンダーテクニーク のレッスンを受ける中でどうもこの首の動きはなくてもいいんだということを学んでいきました。

 音が高くなるときに首は下向き。

音が上がるときに首が上を向くように意識して練習したところレガートで演奏しやすくなったんです。

 

 

 

 

まとめ

  1. 音を出すときに次に出したい音をイメージする。
  2. 音と音の距離を考える。
  3. リップトリル
  4. グリッサンド
  5. ソノリテ
  6. スタッカート、ノータンギング
  7. 音の高低と首の動き(音が高くなるときに首を下、音が低くなるとき首を上)

 

 参考にしてみて下さい。

それでは。