ノンプレスで吹ける人とマウスピースのプレスが必要な人の違いとは?
金管楽器を吹かれる方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、マウスピースのプレスについて以下の2通りの考え方が存在しています。
- マウスピースのプレスは極力しない方がいい。
- マウスピースのプレスはむしろ必要だ。
こういった一見矛盾したように見える2つのやり方を比べたときどちらのやり方が正しいのかという考えになりがちです。
ではなぜ?マウスピースのプレスが必要な人と必要ではない人とで分かれるのでしょうか?
それは
- 使っているマウスピースの特性
- 使っている楽器の特性
- 唇の状態
- 息がどれだけ効率よく使えているか(奏法の効率性)
これらの要素の比率によって変わってくると考えています。
マウスピースのプレスをしても音は出ない。
まず本質的にいくらマウスピースのプレスだけしても音は出ません。
なぜなら金管楽器は唇が息の流れによって振動することで音が出るからです。
空気が音を発生させているんですね。
唇がバテたくないならとにかく唇の振動を邪魔しないこと。
— かいとうゆうき (@HornKaichi) 2021年10月23日
ある程度力で振動させることは可能だけどあくまで空気の波が音を発生させている。
舌やマウスピースのプレス、息の勢い、アンブシュアの筋肉などの力に頼れば頼るほど口はすぐにバテる。
だから振動の効率性という面だけ考えればプレスに頼らなくても自然と音が出ている状態の方が理想的です。
ですが人によって演奏技術のレベルも違いますし、練習している曲によってはプレスに頼るという選択をする必要も出てきます。
マウスピースのプレスの力の割合を決める要素
最初にも書きましたが以下の要素の違いでプレスの必要性は変わっていきます。
- 使っているマウスピースの特性
- 使っている楽器の特性
- 唇の状態
- 息がどれだけ効率よく使えているか(奏法の効率性)
使っているマウスピースの特性
金管楽器のマウスピースはカップやリムの大きさ、深さ、種類、スロートなどの違いによって音の出しやすさや音色の違いも出てきます。
なので例えば高音域が出しやすいマウスピースを使っている場合、マウスピースのプレスに頼らなくてもある程度音が出せるでしょう。
反対に出しにくいものを使っているならプレスに頼る可能性は高まります。
使っている楽器の特性
楽器の種類によっては息の流れに頼って吹いた方がいいものもあれば、割と口先のコントロールで吹いた方が吹きやすいものもあります。
抵抗感が強く音のツボが近くにある楽器は口先で吹いても楽器が鳴りやすいですが、抵抗感が少なくツボが遠くにある楽器は息の流れを使って音をコントロールした方がいいです。
例えばホルンであればアレキサンダーやクルスぺといった抵抗感が比較的高い楽器はなるべく楽器の抵抗を利用して音をコントロールした方が良いでしょうし、抵抗感が少ないシュミットなどは息の流れに任せた方が良いでしょう。
もちろん人によって個人差はありますので絶対ではありません。
ただ抵抗感が強くなればそれだけ息の圧力を高め少ない息でコントロールできるためバランスを保つためにプレスも必要になるでしょう。
反対に抵抗が少ない楽器なら息の流れに任せることができるのでプレスする必要もそこまでないかもしれません。
唇の状態
唇の厚さ、大きさ、皮膚の柔らかさなど、本当に個人で違います。
例えば唇が薄い人は振動も細かくなりやすく、プレスをしなくても音域をコントロールしやすいかもしれません。
反対に唇が厚い人は振動させるためにより大きなエネルギーが必要になるでしょう。
また身体の体調や気温、湿度、天候、日頃の練習量によって唇の状態はコロコロ変わってしまいます。
唇の状態が悪ければ悪いほどマウスピースのプレスは必要になるかもしれません。
息がどれだけ効率よく使えているか(奏法の効率性)
本質的に息の流れで上手く音がコントロールできればプレスの必要もありません。
ただこれは奏法上の理想であって現実的には個人の技術レベルによって左右される面が大きくノンプレスで演奏することが正しく、プレスすることが間違いという考えではかえって調子を崩しかねません。
マウスピースのプレスを極力しないで演奏するのはかなりレベルが高い技術だと思った方が良いです。
もし取り組む場合はそのやり方を取り入れている人のレッスンを受けたり無理のない範囲で時間をかけて訓練していきましょう。
まとめ
最後に言っておかなければいけないのは、マウスピースのプレスは絶対に必要です。
なぜなら唇にマウスピースを密着させなければ振動が楽器に伝わらないからです。ただこれはプレスが必要かどうかを考えた場合に限ります。
唇のことだけを考えればマウスピースのプレスに依存して音を出している状態は血行が悪くなりバテやすくなるという面はありますし、人によっては怪我に繋がることもあります。
ただノンプレスは理想であって現実的にはプレスしないとやってられない場合はありますから普段からプレスに頼って吹いている場合でも罪悪感を感じなくて大丈夫です。
ここまでご覧頂きありがとうございました。
無料メール講座を開始しました。
今なら以下の3点を無料でプレゼント中です。是非ご登録ください。
・楽器が上達するための6つのステップ(動画)
・効率よく楽器を吹くための身体の使い方(動画)
・お試し60分オンラインレッスン(1回)